注文住宅を建ててみて良かったところ、悪かったところ
前回の投稿から1年ちょっと経ってしまいました。
ブログのタイトルも「趣味とマイホーム作りの記録」から「システムエンジニアが注文住宅を建ててみた」に変えてみました。
(自分の職業はシステムエンジニア(SE)です)
前回の投稿ではまだこれから建てるというところでした。
2018年3月に無事家は経ちそれから1年弱過ごしてみましたが、良かった点もあれば悪かった点もありましたので簡単にまとめてみます。
総合得点 (100点満点中)
60点!
割と厳しく採点しましたが、出した費用(周辺の建売の相場と比べて)に見合ったか、と言われると微妙なところでした。
それぞれ内訳は以下のような感じです。
- 立地 60点
- 建物 55点
- 外構 80点
それぞれかかった費用で重みづけすると、大体60点くらいかなぁ、というところです。
立地 60点
立地のいい点
自然環境が豊か。
元々東京の郊外なので自然は多いです。
静かで住環境は良好。
第一種低層住居専用地域なので、高い建物もなく、屋上でのんびり過ごせています。
マンションがあると屋上が覗かれてしまいますものね。
近隣住民とも良好。
これは一番気にしていたところでした。
新規の造成地なので、近隣との関係は新しく構築となるので、丁寧に接していれば良好な関係になると思います。
立地の悪い点
駅から徒歩25分ほど。
ただしバス路線はあります。1時間3~4本なので最低限レベルです。
普段は駅まで自転車を使っていますが、雨の時はバスです。
バス停までちょっと距離があるのは失敗でした。
また駅から離れているため、資産価値が低くなるのは懸念です。
SEという仕事柄、リモートワークの普及により今後は駅近である必要はないと思い、駅から離れたところでOKとしたのですが、
資産価値となると売却のしやすさが大きく影響するため、いざというときに困りそうです。
陽当たりが悪い
北側に住宅があり、北側斜線を回避かつ「屋上」という斜面を作れないものを作るため、
家をできるだけ南に寄せてしまった結果、南の家との距離が近づきすぎてしまいました。
1階に陽が差し込むのは1年のうち4~9月だけです。2階は年中差します。
小学校が遠い
うちの子は男の子なので、大丈夫かな…とは思っていますが。
そのほか
- やや変形地。未舗装の里道が接していてセットバックしているため。
- その里道は夏場がすごく生い茂って、道と言えないほど歩きづらい。
- 自然環境が豊かすぎてアシナガバチの巣もできてしまった(小さいうちに撤去した)。
- 買い物が少し不便。スーパーは車で5分程度だけど、徒歩だと15分以上かかってしまう。
- 隣の畑から冬~春先の砂ぼこりがすごい。
- 近所にいい散歩コースがあって癒される。
建物 55点
建物のいい点
念願の屋上
18畳ほどの屋上ができ、昨年は2回ほどBBQしました。
周辺環境がのどかで高い建物もなく、風通しのいい屋上ということもあってBBQのにおいや煙は気になりません。
全館空調
すべての部屋や廊下、脱衣所すべて空調が効いています。
ウォークインクローゼット
4畳という普通のウォークインクローゼットの2倍くらいの大きさの収納を設けました。
家族全員の衣類はそこに余裕で収まります。
ただ全館空調は唯一ここだけ入っていないので、冬場は寒いです。
電気配線を目立たないようにした
インターネット回線は家の中央にあるクローゼットの中へ。
有線LANも配管を用意し、カテゴリ5eで配線しているので、昨今の高速回線でも問題ありません。
クローゼットが家の中央なので、無線も届きやすいです。
屋上はペントハウスに有線LANを配線し、そこにアクセスポイントを追加しているので、屋上でも問題なくネットができます。
広めの玄関
趣味でロードバイクやクロスバイクに乗っているのですが、玄関に駐輪できるので風雨によるダメージがなく、防犯上もメリットがあります。
また玄関なので素早く外に出せます。
壁一面にホワイトボード
システムエンジニア的に必須なホワイトボード。
仕事やアイデア出しにも使えますが、将来子どもが絵を描いたり、勉強したりするときにも使えると思っています。
ガス乾燥機導入
ガスだと電気のヒートポンプ式(洗濯機内蔵)と比べて3倍くらい速く乾きます。 ふかふかで快適。騒音は大きいのでマンションだと厳しいでしょう(ガス栓の増設ができたとしても)
建物の悪い点
断熱性能があまり高くない
ここが一番の不満点です。 主に以下の点で低いと感じています。
窓ガラスサッシがLow-E ペアガラス、アルミ樹脂混合
これって標準的なサッシなのですが、正直この「標準」の基準は低いと思います…。
冬場、窓際が結構寒いんですよね。
これから建てる方、できればトリプルガラスの樹脂サッシがいいと思います。あとカーテンも侮れません。
性能のいいサッシだと言われて簡単なシェードにしてしまったので、冷気が流れてきます。 いずれハニカムスクリーンを入れようと思っています。24時間換気が第一種換気だが、熱交換効率が70%以下。
熱交換効率70%というのは、ざっくりいうと建物内気温が20℃、外気温が0℃だったら、14℃にして取り込むというものです。
結構暖かくなる!と思われがちですが、常に14℃の空気が入ってくるので、エアコンはフルパワーのまま動いており、電気代が高いです。 (2019年1月は2万円ちょっと)24時間換気はそのうち止めるか、外から制御できるようにしようと思っています。(夏は夜間だけ、冬は昼間だけ自動的に動くようにする、とか)
90%の熱交換効率のもの(内気温20℃、外気温0℃なら18℃で取り込み)もありますので、できるだけ高いものをおすすめします。
台風の時建物が揺れる
耐震等級3を取っていますが、木造だとやっぱり台風で揺れるんですね…。
予算に余裕があればRC造がいいと思います。軽量鉄骨はどうなんだろう?
外構 80点
庭や駐車場はおおむね満足です。
外構のいい点
駐車場・玄関アプローチがかっこいい
美大出身の外構工事業者さんにお願いしました。さすが。
南側の建物の給湯器や人通りの視線を遮れるフェンス
ただフェンスってすごく高いんですよね…。本当は全面にしたかった。
外構の悪い点
庭木がちょっと窮屈
南側は1.1mあるのですが、真ん中に小さめの庭木を植えたため、そこは往来が難しくなってしまいました…。
駐車場に一部張った天然芝が車の踏圧でヘタる
芝生保護材を上から張ってみようと思ってます。
まとめ
良いところは住環境と間取り!
これらは自分たちが決定しているものですから、ここが悪いとかなり凹みます…。
悪いところは立地と住宅性能!
立地は費用面から妥協していたのですが、陽当たりもここまで悪いというのは誤算でした。
また陽当たりが多少悪くても、昨今は「高気密」「高断熱」を謳っているので大丈夫だろうというのが甘い見通しでした。
現在においても、まだ「高気密」「高断熱」の基準値が低く、世界的に見ても良くない値みたいです。
まさにその通りだなぁと思います。これから家を建てる方は、これだけ意識してください。
— 瀬山 彰@複業家/日本の家づくり強化ディレクター (@penta8786) January 14, 2019
現状→推奨
・窓 サッシ
アルミ樹脂→オール樹脂
・断熱
UA値0.87→0.6以下
・気密
C値基準無→0.7以下
・換気
3種→メンテ可能な1種換気
・エアコン
つけたり消したり→一日中付けっ放し
これだけでOKなのに、広まらない住宅業界の闇。
断熱性は一番残念なところなので、次回以降詳しく書いていきます。
システムエンジニア的には
機能要件はしっかり握れたけれど、非機能要件が握れていなかった、という感じでしょうか。
ただ発注側に専門知識があるわけでなく、ハウスメーカー側が「大丈夫です!」といったときに確認しようがないんですよね。
高気密高断熱の性能については、Q値やC値、UA値をちゃんと公表している、あるいは一棟一棟測定しているメーカーであればある程度信頼できたかもしれません。